業者価格の定義

最近ホームページで貴金属買取業者を調査していると目に付くようになった「業者価格で買取ます」といったキャッチコピーです。 これは高い買取単価を提示していて後でそこから手数料を引く(10%~30%)という5年ぐらい前までの主流だった買取専門店の進化バージョンとして平成21年6月23日田中貴金属株式会社が「RE:TANAKA(リ・タナカ)」の名称で貴金属ジュエリーリサイクル事業に本格参入してから競争が激化しているここ数年増えてきています。

この業者価格とはネットジャパンや日本マテリアルなどの、当社みたいな業者(小売業や卸会社、製造メーカー、質屋等)から専門に買付ける宝飾貴金属専門商社が自社のホームページで業者向けに提示している価格です。
これは、まとまった量の地金を宝石、付属物等は外して(製品買取できるのはそのままで)純度毎にきっちりプロが仕分けしておいた状態で商社 に持ち込むか担当営業に買付けに来てもらって買取ってもらう価格で(もちろん偽物を買取っていた場合は返品されます。)、一般のお客様がその商社に持っていっても受け付けてくれないか、一般向けの価格でしか 買取ってもらえません。

それぞれの商社のホームページには本日の買取単価が純度毎に表示されているのですが、それをそのまま自社のホームページの買取単価にして、この価格掛ける重さが買取り価格 になりますという一般のお客様からしたら夢のような提案がされています。ちなみに、商社間でも競争があるので、歴史が浅い商社は顧客獲得のためK18だけは75%買取りしたりする赤字確実な価格を提示している所もあります。
しかしそういう商社は当然他の部分(他の純度の貴金属やダイヤ、製品ジュエリー買取, etc)で利益のバランスをとっているのですが。。。。

なんと!

それぞれの商社が強く出している買取価格部分を集めてきてそれをホームページにのっけているような買取専門店もあります。そのうち商社よりも高い価格を提示している買取専門店 もでてきそうな勢いです。すでにいるかもしれませんが(笑)

結論から言えばそんな夢のような話はありません。ダイエットの「○○だけで痩せるダイエット」のようなキャッチコピー程度に思っておいたほうがいいです。これは商社の営業や業者仲間の情報、何よりお客様からも聞いており、私自身、実際に業者価格で買取ますという店舗を横浜、東京、大阪の数店舗調査した結果です。

ライバル店の私がこんなこと言っても、そんなの買取専門店に勝てない負け犬の戯言だろと思う方も多いと思います。

これにはカラクリがあります。 
(敬称略) 
(last update 20130920)

2013年に店主が本音で書いたお役たち貴金属買取コラム

  1. 金、プラチナ、シルバー製ジュエリー買取の歴史
  2. 貴金属買取店のビジネスモデル
  3. 金、プラチナ買取業界の黒船。リタナカの参入
  4. 業者価格とは?
  5. 業者価格で買取りますのカラクリ
  6. 何故業者価格で買取るが不可能か