女性なら1つは欲しいヴァンクリーフ&アーペルのハイジュエリー。エレガント、ゴージャスそして伝統の3本柱で世の女性たちを魅了してやまないのが、フランスのグランドメゾン、ヴァンクリーフ&アーペルです。

今回はそんな最高級ブランドが展開するジュエリースクールをご紹介したいと思います。彫金教室?いやいやヴァンクリーフ&アーペルの学校は、セレブな時間が流れる世界で一番贅沢な教養を身に付ける為の、紳士淑女の社交の場だったのです!

ヴァンクリーフ&アーペルを知らない人の為に

ヴァンクリーフ&アーペル、聞いたことがあるようでイマイチ分からない……ハイセンスな女性にとっては馴染み深い高級ジュエラーかもしれませんが、ヴァンクリーフ&アーペルを知らない!という方に、まずはそのハイジュエラーとしての魅力をお伝えしたいと思います。

フランスの至宝、ヴァンクリーフ&アーペルについて

ヴァンクリーフ&アーペル社は1896年に、Alfred Van Cleefと彼の義父である Salomon Arpelによって設立されたジュエラーです。ジュエリーの他にも時計や香水のラインも充実し、最新のファッションを追求するべく、モードにうるさい女性から世界の王侯貴族にまで愛されるハイジュエリーブランドとして知られています。

ブティックは日本を含めて欧米、中近東、アジア圏にまで進出し、歴史と伝統そしてデザインのヴァンクリーフ&アーペルとして世界各国の重鎮に愛されているのです。

特徴としてデザインに多くの花々や動物(フラミンゴ、象、鯨や蝶など)、またファンシーな妖精などが登場し、単なるジュエリーという世界観を飛び出して、まるでおとぎの国に迷い込んだ錯覚に陥いります。

元々ヴァンクリーフ&アーペルは、一言では語り尽くせない伝統文化やそれぞれの土地に息づく風俗にインスピレーションを得て、ジュエリー制作に反映させています。どこかイスラミックな匂いを感じるデザインのアルハンブラは、可憐な四葉のクローバーがモデルになり、KAWAIIもの好きの女性に愛されるアイテムですし、1920年代にはアールデコ様式を取り入れたエジプトリバイバルのジュエリーも制作。

女性の心を掴むデザインから、コレクター眉唾物のハイジュエリーまで、更には王侯貴族への一点物の制作も手がけるヴァンクリーフ&アーペルは、世界のマダムに愛される高級メゾンとして揺るぎない名声を手にしているのです。

世界の女性が憧れる!ヴァンクリーフ&アーペルのハイジュエリーがすごい!

ヴァンクリーフ&アーペルの指輪にブレスレットをさり気なく着用している女性をみると、その小さなジュエリーの存在感と可憐さに「ハッ!」としてしまいます。決して気軽に購入出来るラインが揃っているわけではありませんが、数十万でちょっとした心の贅沢を楽しめるので、30代以降の女性には率先して身につけて欲しいブランドだと個人的に思っております。

さてこちらのブランドは特に著名人にも愛用者が多くエリザベステイラーやグレースケリー、「王冠をかけた恋」でその名を世界に轟かせたシンプソン婦人など、名だたる女性たちに愛されてきました。またイラン王国のファラ・パーレヴィ皇后の戴冠式のため、イラン中央銀行内で豪華絢爛な王冠を制作したことは、ブランド史の中でも大きな軌跡になったことはいうまでもありません。1469石のダイヤモンド、36石のエメラルド、36石のルビーと、105個のパールを贅沢に使い、中央には150カラットものエメラルドを配置した王冠は、もはや見る者の心を奪います。

このように世界各国から舞い込むオンリーワンのジュエリーを制作しながらも、独自のハイジュエリーラインも充実させているのがヴァンクリーフ&アーペルです。様々な文芸作品や聖書(ノアの方舟など)または世界各地の隆々たる大自然を舞台に繰り広げられるデザインという大きな世界、そこで育まれるジュエリー達は1つ1つパリの職人達から生命を与えられます。

「可愛い、今すぐ欲しい!」というジュエリーから、仕掛けいっぱいの頭の体操になり得るような豪華過ぎるジュエリーまで……正直値段は数百万~数千万単位に膨らむ為、ハイジュエリーはもはや目の保養として楽しむべきでしょうか。

世界で一番ゴージャスな学校です!ヴァンクリーフ&アーペルのジュエリースクールとは?

ヴァンクリーフ&アーペルの魅力を語ってしまうと、もはや1回のコラムでは終わらなくなってしまいます。さて本題に戻ると、パリのヴァンドーム広場という最高のロケーションで学べるヴァンクリーフ&アーペルの附属ジュエリースクールのお話しです。

ハイセンス極まりないヴァンクリーフ&アーペルが手がけるジュエリースクール、その謎めく実態に迫ってみたいと思います。

ヴァンクリーフ&アーペルの学校ってどんなとこ?

彫金の世界にも絵画の世界にも徒弟制度というものがあり、名だたる職人、画家の元には多くの若者達が親方の元、技術を盗んで行きました。まさにそんな工房の精神をそのままに、ジュエリー界のマドンナヴァンクリーフ&アーペルが文化・技術を学べる場所を創設、それがレコールヴァンクリーフ&アーペルが目指した学問の形です。

学びは本店が鎮座するヴァンドーム広場のキャンパスで学べるという、何とも贅沢なジュエリースクールで、教鞭を取るのはヴァンクリーフ&アーペルの現役の職人達。ハイジュエリーを展開する一流ブランドとしては初めてのジュエリースクール開校ということで、2012年の設立以来、本国フランスだけでなく世界中から多くの人々が目を輝かせながら、ヴァンクリーフ&アーペルのアートの真髄を学んでいるのです。

誰でも学べる!何が学べる?気になるコース、入学条件と気になる授業料まとめ

レコールヴァンクリーフ&アーペルは、プロフェッショナルな職人を育成する専門学校ではありません!100年以上の伝統と歴史を誇るヴァンクリーフ&アーペルのジュエリーと時計の世界へと誘う場所といえば正確でしょう。

列記とした宝飾学校ではありますが、入学試験などはなく、国籍問わず18歳以上であれば誰でも学ぶことが可能です。通年コース、半年コースなどは設けておらず、アラカルト科目として興味があるコースを好きなだけ選んで受講します。

通常フランスの通年の宝飾学校に通学すると、日本の専門学校と同等またはそれ以上の授業料がかかりますが、レコールヴァンクリーフ&アーペルの場合は、講座毎に100~400ユーロ程度なのでお財布を気にせず受講出来ますね。

全てのコースはフランス語または英語での受講ですが、どうしてもという場合は別料金で通訳を雇うことも可能です。コースに関しては大きく分けて

①入門コース(ジュエリーの世界を少しだけ覗ける2時間30分の入門講座、ただし現在はフランス語のみの開講)

②サヴォアフェール(デザイン、模型製作~エナメル、漆までヴァンクリーフ&アーペルの真髄に迫るレッスンを段階ごとに学ぶ)

③ジュエリー芸術史(歴史、文化の中で育まれたジュエリー、魔除けとしてのジュエリーなどヴァンクリーフ&アーペルの主役である宝石の美しさの根源に迫る講座)

④原石の世界(宝石が生まれた起源と進化の過程やダイヤモンドの魅力、宝石の鑑定眼を養う講座)

の4本柱の受講内容が用意され、それぞれ8~12名の少人数制のクラスでジュエリーに関する魅力を余すことなく学ぶことが出来ます。また5~16歳までの子ども限定の家族向けワークショップも充実しているので、パリ旅行の一貫として、最高級メゾンでジュエリー、宝石箱または時計制作なども体験出来ちゃいます。(各15ユーロ)

パリ、ニューヨーク、ドバイなどではイブニングカンバセーションと呼ばれる、ジュエリーにまつわる1つの事象についての研究テーマを掘り下げる、カンバセーションパーティーも定期的に開催中!パリ在住時に興味のあるカンバセーションレッスンがある場合は、ちょっとばかりのおめかしをして是非参加してみてはいかがでしょうか?

過去2回ほど、日本で特別コースを開講したことはありますが、次回の開講日などの詳細は不明です。またネット経由のオンラインレッスンは残念ながら用意されていません。(ただしオンラインライブラリーは観覧可能!詳しくはこちらをチェック!https://www.lecolevancleefarpels.com/en/go-further )

幾つかのコースを受講するためだけにパリに行くのは金銭的にも躊躇してしまいますが、宝飾、芸術の都パリでアートまみれの休日を過ごすと考えれば、きっと実り多い収穫が得られることでしょう。

参考リンク https://www.lecolevancleefarpels.com/en

レコールヴァンクリーフ&アーペルでジュエリーを学ぶ意義とは?

最後にレコールヴァンクリーフ&アーペルで、ジュエリーと宝飾アートを学ぶ意義についてまとめてみたいと思います。

ハイブランド唯一のジュエリースクールこそ大人の社交の場なり

日本にいれば大小様々な彫金教室やワックスを学べる場所はあると思います。しかしここレコールヴァンクリーフ&アーペルは、ガッチリと彫金技術の基礎を叩き込む場所ではありません。

ヴァンクリーフ&アーペルが培ってきた宝飾芸術という枠組みの中で継承されてきたデザイン、技術の片鱗を学び、そして現役の職人達からヴァンクリーフ&アーペルの世界観を覗きそして体感することが目的なのです。

そこに経験や知識の有無は関係ありません。ただ,ただジュエリーを愛する気持ち、そしてヴァンクリーフ&アーペルというハイブランドを知りたい!そんな純朴な気持ちさえあれば、どなたでも参加出来るフットワークの軽さが嬉しいですね。

言葉も人種も価値観も異なる人々との出会い、ただ一つジュエリーを愛する気持ちがあれば分かり合える!そんなちょっぴり贅沢な出会いの場こそが、レコールヴァンクリーフ&アーペルなのです。

ただし前述の通り、全てのコースはフランス語もしくは英語での受講が必須なので、生半可な語学力ではそれぞれのコースを120%楽しむことは出来ません。最低限の教養レベルの英語力を磨いて、尚且つ最高級のハイメゾンで学んでいるという意識を持ってレッスンに望むことが大切ですね。

周りの学生達は老若男女様々ですが、皆さんマダムにジェントルマンばかりなので、レコールヴァンクリーフ&アーペルというTPOに合わせた立ち居振る舞いをすることも忘れずに!(Tシャツ、短パン、サンダルなどは絶対避けましょう。汗。)

まとめ

彫金に興味があるし、ジュエリーも大好き!という方から、現職人さんやジュエラーの方まで、人を選ばずWelcomeなヴァンクリーフ&アーペルのジュエリースクール。年齢も国境も関係ないので、とにかくヴァンクリーフLOVEな方や親子連れでも楽しめるのは嬉しいですね!

さすがハイメゾンの立地に受講者に思わず身震いしてしまいますが、人生たった1度きり!ジュエリーが大好き、そんなベクトルと中上級の英語力、そしてコミュニケーションスキルさえあれば十分元は取れるので、フランスパリはヴァンドーム広場でちょっとハイソな教養講座、あなたも受講してみてはいかがでしょうか?